世界的な指揮者、小沢征爾さん(75)が7日、長野県松本市内で、総監督を務める「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(8月8日~9月11日、松本文化会館ほか)の発表会見に出席した。音楽祭2柱のひとつ、作曲家バルトークのオペラ「青ひげ公の城」で指揮を執ることを発表した。

 今年1月のヘルニア手術後、水中歩行など腰の周りに筋肉を付けるリハビリで順調に回復。落ちた体重も徐々に戻り、医師のお墨付きをもらって復活。

 初の日本人演出によるオペラと初となるのバレエを2部構成で上演する。小沢さんは「バレエの方は猥雑(わいざつ)で激しい動き。全身を使うのでちょっと難しい。若い沼尻さん(沼尻竜典)に任せて、私は上品なオペラをやります」と冗談交じりに話した。

 小沢さんの本格的オーケストラ指揮は、昨年12月のサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)ニューヨーク・カーネギーホール公演以来。7月にスイスと長野などで“試運転”した後、本格始動する。

 今年は音楽祭20回の節目を迎え、初の中国公演(9月、北京・上海)も行う。SKOの海外公演は過去にあったが、「音楽祭をそのまま引っ越す」(小沢)形は初めて。