NHKの大河ドラマ「平清盛」の演出について「画面が汚い」などと指摘した兵庫県の井戸敏三知事の発言に寄せられた批判が27日までに約1000件に上ったことが県への取材で分かった。

 県広聴室の担当者は「主要な行政テーマでも、これほど多くの意見が寄せられることはめったにない」と困惑している。

 県によると、意見は電話やメールで全国から寄せられ、27日までの集計で約1100件。うち約9割が知事の発言に批判的だった。

 批判には「時代考証がされており、いい演出だ。自分は気に入って見ている」とドラマの内容を評価する意見のほか、「県の観光PRのために作られたものではない」「公的な立場でテレビ番組に介入するのは控えるべきだ」と知事の姿勢にかかわるものが多かった。

 一方で「画面は汚い」「発言に同感だ」と知事に賛同する意見も約100件寄せられている。

 井戸知事は10日の記者会見で、ドラマの初回視聴率が過去3番目の低さだったことについて「画面に鮮やかさがない。番組の人気が出るかどうかで観光に影響する」と発言。

 NHKが演出を変更する予定がないことを明らかにした後の23日には「いま変えたら(NHKの)全面敗北になる。世論の動きで(演出を)見直さざるを得ないことになる」と話した。