食道がんで入院中の歌舞伎俳優中村勘三郎(57)が肺水腫のため人工肺を装着して治療を行っていることが14日、分かった。食道がんの手術後、8月末に呼吸不全となるARDS(急性呼吸窮迫症候群)を発症。肺胞が機能しない肺水腫となり、自力呼吸を助ける人工肺を付けて治療中だ。所属事務所は「肺以外は健康です。来年4月の歌舞伎座復帰を目指して頑張っています」と話した。

 関係者によると、7月27日に行った食道がんの摘出手術は成功した。術後は順調に回復し、食道がんはほぼ完治していた。ところが8月末、ARDSを発症した。手術や抗がん剤治療で免疫力が落ちた時などに起こる急性呼吸不全で、一時は心肺停止の危険もある厳しい状態になった。肺に酸素を送り込む人工呼吸器などでは改善できず、肺胞がむくみを起こして機能不全となる肺水腫になった。このため、体外に循環させた血液に直接酸素を送り込む人工肺を使う必要に迫られた。