22日に飛び降り自殺した藤圭子さん(享年62)の前夫の音楽プロデューサー宇多田照実氏(65)が26日、娘の宇多田ヒカル(30)の公式サイトを通じてコメントを発表した。「このたび故宇多田純子、投身自殺に於きましては、各方面の関係者の皆様、歌手藤圭子の大勢のファンの皆様、そして宇多田ヒカルのファンの皆様に多大なご心配と世間をお騒がせしていることに対して、所属事務所代表として、また25年間連れ添った元夫として心からおわびを申し上げます」と謝罪。さらに「遺言書に書かれていた本人の強い意志」により葬儀を行わないことも報告した。

 その上で、宇多田が5歳のころから、藤さんの感情の変化が著しくなり、自身の母親、照実氏、宇多田も攻撃の対象となったことなどをつづっている。

 「感情の変化が頻繁なので、数分後にはいつも、『ゴメン、また迷惑かけちゃったね』と自分から反省する日々が長い間続きました。とても辛そうな時が多く見られるようになった際には、病院で診察を受け、適切な治療を受けるように勧めたことも多々ありましたが、このアドバイスは逆に、僕に対する不信感を抱かせることになりました。結果、本人が拒絶し続けた治療が成されないまま、彼女の苦しみは年を追うごとに重症化したものと思われます」

 さらには直近の12年間、藤さんが思い付くままに旅を繰り返していたことを明かし、宇多田と照実氏に昼夜を問わず、「元気?」と電話が入ることもあれば、心当たりのない理由で罵声を浴びせられることもあったとしている。

 最後の電話は8月14日で、藤さんから掛かり、お願いことを何件か受けたという。藤さんが自殺したことについては「覚悟の上での投身自殺だったのか、衝動的に飛び降りてしまったのか、今となっては知りようがありません」とし、「最終的に僕から救いの手が差し伸べられなかった悔しさ、大切な人間を失った悲しさでいっぱいです」と記している。