今月3日に脳腫瘍のため58歳で亡くなった女性漫才コンビ、海原さおり・しおりの海原しおり(うなばら・しおり=本名網谷しおり=あみたに・しおり)さんの通夜が5日、大阪府箕面市の箕面聖苑で営まれた。

 遺影は、09年に大阪府豊中市内に開いた和食店の開店記念で撮影されたもので、快活な笑顔が特徴的だったしおりさんらしい写真が選ばれた。

 明るい色の花が基調になった祭壇は、生前のしおりさんの華やかな活躍をイメージして「向こうでも、華々しく舞ってほしい」との願いを込め、花を流線形に並べるなど工夫が施された。会場入り口横にも、師匠の海原小浜(89)が大阪市表彰を受けた際に撮影したさおりさんとのスリーショットや、子供時代に歌のものまねでテレビ出演した際の写真などが並べられた。ひつぎには黄色の舞台衣装などが入れられ、しおりさんの化粧は相方の海原さおり(56)が行った。さおりは夫の大木こだま(62)とともに、憔悴(しょうすい)しきった表情だった。

 この日の通夜には、作曲家キダ・タロー氏、今いくよ・くるよ、西川きよし、桂文珍、兄弟子の池乃めだから約600人が訪れた。

 自身も「太平サブロー・シロー」として、漫才で一世を風靡(ふうび)した大平サブローは「若い勢いのある漫才から、お浜・小浜師匠を継いで、おばあちゃんになるまでやれる、いい漫才がまた始まったと思っていた矢先やったのに」と唇をかんだ。

 故横山やすしさんと組んだ漫才は当代一とも称された西川きよしは「おふたりは日常の身近なことを表現するのが、ほんとにお上手でした」と、仲良し女性コンビならではの息に感心していたことを明かした。

 女性コンビの先輩、今いくよ・くるよのくるよは「お顔を見たら、私には笑顔に見えた。ああ、もうちょっと…なんとかならんかったんかな…。もう1回舞台に立ちたかったと思います」と声を震わせた。

 一方、海原小浜門下で、しおりさんたちの兄弟子にあたり、現在は吉本新喜劇で活躍する池乃めだかは「しおりちゃんはかわいらしい顔してんのに、漫才になると、男らしいつっこみで、その辺が奥深かった。けなげでおもしろい、王道のしゃべくり漫才で、僕は好きやった」と話していた。

 告別式は6日午前11時から、同所で行われる。喪主は長男網谷一馬(あみたに・かずま)氏。