兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校で19日、102期生の入学式が開かれ、実業家で元モデル君島十和子さん(47)の長女憂樹(ゆうき)さん(16)ら40人が出席した。

 グレーの制服姿で、メークはなしの素顔。男役志望に髪形をまとめた憂樹さんは、緊張の面持ちで、岩崎文夫校長らのあいさつに聞き入った。

 1年先輩となる本科生から歓迎の辞を受け、同期の総代が答辞を読み上げ、校歌斉唱。ここまでは涙はなかったが、式典後、本科生から胸に校章を着けてもらうと、あふれそうになる涙を懸命にこらえていた。

 憂樹さんは昨年に続き、2回目の受験で合格。宝塚歌劇ファンの両親とともに、幼いころから観劇していた。十和子さんは「宝塚に対するあこがれ、歌劇が好きという気持ちは筋金入りなので、しっかりと、気持ちを強く持って頑張ってほしい」。4月に100周年を迎えた劇団の伝統には「歴史のある学校で学べる誇りを胸に、忘れないでいてほしい」と話した。

 父の誉幸(旧名・明)さん(49)も「やっとスタートラインに立った。どんなスターになってほしいとか、それはまだ分かりませんけど、校長先生も『まずは先輩のマネから』とおっしゃっていましたし、励んでほしい」と、娘の晴れ姿に目を細めた。

 また、式典後には、成績上位入学4人が取材に応じた。男役志望の丸山ひかりさんは、同期では最高身長の180・5センチ。劇団100年史でも、過去最高は昨年退団した元宙組スター悠未ひろの179センチで、入団すれば長身記録を更新する。丸山さんは「背が高いので、客席を包み込むような包容力のある男役になりたい」と目を輝かせた。あこがれのスターには、現花組トップ蘭寿とむをあげ「蘭寿さんのような情熱的な男役になりたい」と話した。

 102期生40人は、約26倍の難関を突破して入学。2年間、バレエや声楽などを学び、宝塚歌劇団への入団を目指す。