世界3大映画祭の1つ、第71回ベネチア国際映画祭(8月27日~9月6日、イタリア)のラインアップが24日、発表され、塚本晋也監督(54)最新作「野火」(来年公開予定)が最高賞・金獅子賞を争うコンペティション部門への出品が決まった。

 同監督の同部門への出品は09年「鉄男

 THE

 BULLET

 MAN」以来5年ぶり2度目。過去、02年に「六月の蛇」でコントロコレンテ部門審査員特別大賞、11年に「KOTOKO」がオリゾンティ部門最高賞のオリゾンティ賞を受賞。97、05年には審査員も務めている。

 「野火」は作家・大岡昇平氏の戦争文学の映画化で、59年に市川崑監督が映画化している。塚本監督の公式サイトによると、同監督は映画化を20年間構想し続け、自主製作したという。監督自ら主演し、共演はリリー・フランキーと中村達也。

 塚本監督は同サイトで、以下のコメントを発表した。

 「20年前から構想し続けた作品でベネチアに参加出来ることを嬉しく思います。戦争の恐ろしさを描いた大岡昇平さんの原作小説の映像化は国内での製作は困難を極め、なかなか出資者が集まらず、結果、自主製作することになりました。そんな作品が最古の映画祭のコンペティション部門に選ばれたこと、なおかつ、この時期に世界に発信出来ることの意義をひしひしを感じています。」(原文まま)

 また俳優加瀬亮(39)主演の韓国映画「自由が丘8丁目」(ホン・サンス監督、12月公開)の、オリゾンティ部門出品も決まった。