11月8日に、20周年記念独演会を大阪松竹座で開く人間国宝桂米朝一門の落語家、桂吉弥(43)が1日、大阪・道頓堀界わいであいさつ回りに出た。

 「昔、米朝師匠の運転手をして、法善寺(横丁)へ来て、ノンアルコールをおごってもらったりした思い出があります」

 芝居小屋が並んでいた往年の面影を残す法善寺へもあいさつに行った。歌舞伎や演劇公演などを行う松竹座で、独演会と銘打って落語会を開くのは初めてだけに、近所の店主は成長した吉弥をねぎらった。

 吉弥は前日9月30日に、同じく20周年記念の独演会(来年2月7日、大阪・フェスティバルホール)を発表した桂春蝶(39)と、同期で、ともに阪神ファン。

 春蝶が、同ホールを満席(2700席)にできなかったら「(阪神2軍本拠地の)鳴尾浜球場のマウンドで(落語会を)やる」と公約を掲げたことに対抗。吉弥は「満席(1033席)にした上で、納得のいく落語ができなかったら、武庫川での河原で落語をやります」と宣言した。

 公約を果たせなければ、鳴尾浜に近い武庫川の河川敷で落語会を開くという。屋外高座はこれまで「経験がない」というが、古典に深い米朝一門であり、一方では、数年前からは自作の新作落語も創作中。落語家としての自信、自覚もふくらむ一方だけに「場所はどこでも、お客さまと“気”さえあえば、大丈夫です」と話していた。