フランス本国と日本で驚異の大ヒットを記録した「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督待望の最新作「天才スピヴェット」が、11月15日より日本公開となる。

 今回主人公のスピヴェット役に抜てきされたのは、本作で長編映画デビューを果たす、カイル・キャトレットだ。

 10歳の天才科学者スピヴェットが、権威ある科学賞の授章式でスピーチをするため、アメリカ大陸を横断するという、<壮大なスケールの家出>を描く本作。ジュネ監督は自身初となる3Dに挑戦、独自の世界観を極めたプロダクション・デザイン、徹底的に作りこんだ映像で観る者をまさに夢の旅へ連れ出す。

 今ではドラッグなどのスキャンダルでしか見かけないマコーレー・カルキン(34)は「ホーム・アローン」、今ではすっかり太ってしまったジョエル・オスメント(26)は「シックス・センス」「A.I」、美しく成長し、女優として大活躍しているエマ・ワトソン(24)は「ハリーポッター」、ダコタ・ファニング(20)は「アイ・アム・サム」、クロエ・グレース・モレッツ(17)は「キック・アス」など、いつの時代も天才子役というものは存在するもの。

 そして、次なる天才子役として注目を集めているのが、本作でスピヴェット役に抜てきされたカイル・キャトレット。双子の弟の死によって、家族全員の心にポッカリ空いた穴を埋めようとする姿を、その小さな身体で見事演じ、さまざまな危機をくぐり抜け、いろんな人に出会ったスピヴェットが、受賞スピーチを行うシーンは圧倒されること間違いなし!

 本作の出演によってオファーが殺到、大ヒットホラー作「ポルターガイスト」のリメーク映画への出演も決定していえる。

 スピヴェット役を探すにあたって、モントリオール、オタワ、トロント、バンクーバー、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンまで足を運んだというジュネ監督は、ある日、7歳にしか見えないとても小さく風変りな9歳の子供をテストし、その子供に唯一無二のものを感じたという。それがまさしくカイルで、「彼はミーティングで、大熱弁をふるったよ。『必要に応じて泣くことができます。僕はタフで、強いです。7歳以下の武道選手権の世界チャンピオンにもなりました!』とね。並外れた子供だったので、原作の12歳の設定を10歳に変えて、彼に決めた」とその起用理由を語っている。また、撮影が最も恐ろしかったという受賞スピーチのシーンについては、「セリフは10ページ、エキストラ130人。にもかかわらず、たった2テイクで撮り終えることができた」と驚くべきエピソードを披露。さらに、「カイルの演技は期待以上に完ぺきで、何があってもその非凡さが損なわれることはなかった。カイルをたたえたい」と大絶賛のコメント。

 英「observer」紙でも「ジョニー・ロットンとマコーレー・カルキンを足して2で割ったようなカイル・キャトレットは、大人の知性と子供の純粋さが共存している」とカイルを絶賛。6カ国語を話し、7歳以下の武道選手権に3年連続で優勝するという経歴を持つカイルの活躍をスクリーンで観ることがこれから増えていきそうだ。【ハリウッドニュース編集部】