吉本興業が若手漫才師の育成、指導を徹底しようと、現在の若手劇場「5upよしもと」を「よしもと漫才劇場」にリニューアルし、12月1日に開館することを30日、発表した。

 新劇場では、上方漫才師の殿堂・なんばグランド花月(大阪市中央区)にならい、漫才、コント、マジックなど諸芸を編成する寄席興行スタイルをとる。

 これにともない、新劇場の主力となる若手漫才師を再教育するため、上方漫才協会を設立。中田カウス(65)が会長、中田ボタン(66)が副会長に就き、吉本興業の吉野伊佐男会長が名誉会長を務める。

 協会は、当面は、師匠を持たないNSC(吉本総合芸能学院)の“師匠”的な存在になりそうで、若手の芸への取り組みを指導し、相談にも乗り、衣装についてのアドバイスも行う。将来的には、吉本以外の漫才師も加入させたいというが、発足時は吉本の若手約400人が会員となる。

 協会の顔として、多くの若手にとっての“師匠”になるカウス・ボタンは、駆け出し時代、デニムにTシャツ、スニーカーの装いで漫才を披露。スーツ全盛だった時代の異端児ではあったが、カウスは「若い人に見てもらおうと思って、ジーパンにTシャツで漫才をしましたけど、それでも、衣装は衣装として、きっちりスーツケースに入れていたし、私服と衣装はきっちり分けていた」。

 仕事へ臨む心構えはしっかり整えており、カウスは「その辺りもしっかりと教育していきたい」と話した。

 また、協会設立にともない、賞レース(上方漫才協会大賞)を新設する予定。