中井貴一(53)主演映画「柘榴坂の仇討」(若松節朗監督)初日舞台あいさつが20日、東京・丸の内ピカデリーで行われた。

 中井演じる武士の主君への忠義と、時代が幕末から明治維新に移り変わっても、主君を討った阿部寛(50)演じる敵へあだ討ちを遂げようという信念、そんな武士を支える広末涼子(34)演じる妻のいちずな愛を描いた作品。その作品が描く、日本人が持つ大事な精神性の数々に、出演者の多くが感動したと吐露。阿部は「(作品を見て)自分の作品なのに、涙しました。自分の作品は(自分の)欠点ばかり見えるんですが…この作品には心打たれました」と語った。また広末も「私も目をはらして劇場を後にしました」と目を潤ませた。

 中井は「時代劇(の状況)が良くないと言われる時代に、人の心をまっすぐ映す映画を撮りました。時代劇は、日本にとって文化。灯を消さないよう努力します。1番の力を持っているのは、見に来ていただく皆さんにあります」と、観客に時代劇の大切さを切々と訴えた。

 この日は他に藤竜也(73)AKB48の木崎ゆりあ(18)近江陽一郎(25)と若松監督が登壇した。