芸能事務所入りして3日目の新人が連続ドラマのレギュラーを勝ち取った。名前は入江甚儀(いりえ・じんぎ=14)。1月に唐沢寿明(44)反町隆史(34)伊東美咲(30)らが所属する大手プロダクション研音に最年少で加わり、その2日後にデビューを確約された中学3年生だ。フジテレビ系「絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット」(15日スタート、火曜午後9時)で初登場する。

 ひとっ飛びでデビューへの階段を上った。初仕事となる「絶対彼氏」では、ヒロイン梨衣子(相武紗季)が劇中で何度も通うカフェバーで働く18歳の浪人生、林孝太を演じる。実際より4歳上の設定に「浪人もアルバイトも経験がないので動きが難しい。セリフを覚えるのは大丈夫なんですけど、声を年相応に低くしないといけないし、苦労ばかり」。主演の速水もこみちから「緊張しなくていいよ。みんな最初はそうだって」と励まされながら、手探り状態で撮影に取り組んでいる。

 中学2年生だった昨年12月、研音のオーディションに応募した。芸能界を志した理由は「同い年の人が芸能界で活躍していて悔しかったから」。テレビで同世代の神木隆之介や志田未来が活躍する姿に刺激を受け、面接で思いをぶつけた同社の幹部から「熱意に押された。うちに14歳という若い俳優はいなかったし、もともとモデル出身など完成度の高い俳優が多い中で伸びそうな気配があった」と評価された。

 こうして今年1月からの所属が決定し、その2日後にデビューが決まった。入江の将来性にほれ込む同幹部に連れられてテレビ局を訪問し「絶対彼氏」を制作するフジの金井卓也プロデューサーを紹介された。整った容姿と誠実な人柄が気に入られ、その場ですぐ出演を確約されたという。

 同社の若手で台頭する速水や栄倉奈々(20)でも、所属して数年間はモデルとして経験を積み、その後ドラマや映画へ進んだ。デビュー前に演技や発声指導を受けることが一般的な中、入江は1度もレッスンを受けていない段階でデビューした。「いきなり連ドラなんてビックリ。所属が決まったことすら友達に言ってなかったのに」と驚くのも無理はないことだった。

 将来については「人の心を動かす俳優になることが最終目標です。その前にまず、名前と顔を知ってほしいです」と笑顔で話した。