06年の東宝シンデレラグランプリを受賞した女優黒瀬真奈美(16)が歌手デビューすることが18日、分かった。自身が作詞を担当し、2カ月連続でシングルをリリース。さらに、2曲ともハリウッド大作「ハムナプトラ3」、アニメ「ヤッターマン」とのタイアップも決定している。音楽界では新人も、すでに注目度や期待度は抜群だ。今後は女優業とともに、音楽界のシンデレラも目指す。

 8月13日にデビュー曲「オモイデ星」、9月10日には2枚目のシングル「恋想曲」の発売が決定した。黒瀬は「カラオケに行くたび、歌が好きだという気持ちが徐々に高まっていました。でも、まだ歌を聴いてもらえる実感はわかないですね」。トントン拍子で決定した歌手デビューだけに、喜びより驚きの方が大きいようだ。

 1本のデモテープがきっかけだった。ユニバーサル・ミュージックが「ピュアな声が印象的」と興味を持ち、すぐに黒瀬と連絡を取った。ピュアな声や古風な美少女のルックスとは違い、着うたを何十曲も携帯にダウンロードするイマドキの少女だった。「今をリアルタイムに生きる現役女子高生。同年代にメッセージがより伝わるのでは。携帯世代の秘密兵器」(ユニバーサル担当者)と感受性も含めて高い評価を受けている。

 デビュー曲、2枚目シングルとも黒瀬が作詞を手掛けた。作詞は初めてだが、以前からノートに詩を書きためていたという。ユニバーサルの担当者を「短いセンテンスで伝えたいメッセージをコンパクトにつづっている。新世代ならではの感覚」とうならせたほど。デビュー曲は失恋応援ソング。シング・ライク・トーキングの佐藤竹善がプロデュースし、ポップに仕上がった。黒瀬は作詞以外に、ピアノの弾き語りも行う。デビューシングルに同曲をピアノで弾いたバージョンも収録した。

 過去の東宝シンデレラ出身者で歌手デビューしたのは沢口靖子やドラマの役柄「星泉」として主題歌を発売した長沢まさみがいるが、弾き語りや作詞もできる本格的なアーティストは初めて。豊かな才能に対し、すぐにタイアップも決定した。デビュー曲は米映画「ハムナプトラ3

 呪われた皇帝の秘宝」(8月公開)のイメージソングに決定。2枚目シングルは日本テレビ系アニメ「ヤッターマン」(月曜午後7時)のエンディングテーマ(7月7日放送分から)に決定した。

 一方、女優業も好調だ。織田裕二主演の“月9”、フジテレビ系7月期ドラマ「太陽と海の教室」(月曜午後9時)への出演が決定。「歌も女優もどんどんやっていきたい。作詞も、詞をもっと音にうまくはめられるように頑張りたい」。二足のわらじへの意気込みを見せた。