NHK総合テレビの今年度上半期(3月31日~9月28日)のゴールデンタイム(午後7~10時)の平均視聴率が13・6%(関東地区)を記録し、民放キー局を抑えて1位になった。ビデオリサーチ社が機械式調査を開始した63年以降、同率トップに2度立ったことはあるもののNHKが上半期、下半期を通じて単独トップとなるのは初めて。NHK広報局は「ニュースやドラマ、五輪などをたくさんの方々にご覧いただき、支持していただいた結果と考えています」とコメントした。関西地区の同時間帯は関西テレビの13・8%がトップだった。

 NHK総合の視聴率は02年度ごろから“指定席”の4位から浮上していた。昨年度上半期のゴールデンタイムの平均視聴率は12・2%を記録し、フジテレビ(13・5%)に次いで2位で、通年でも日本テレビと並んで2位だった。同時間帯の編成は本年度もニュース・報道番組が中心と変わらないが、岩手・宮城内陸地震などNHKの取材力が生きる災害が発生したこともあってか、民放各局が苦戦する中、昨年度上半期と比較して1・4ポイント伸ばした。

 昨年度の視聴率の平均と比較すると「ニュース7」は1・4ポイント、「ニュースウオッチ9」は0・9ポイント、それぞれアップ。大河ドラマ「篤姫」(日曜午後8時)の視聴率の平均は「風林火山」より5・3ポイント高く、「ダーウィンが来た!」(日曜午後7時30分)「NHK歌謡コンサート」(火曜午後8時)などエンターテインメントの番組の視聴率も伸びている。

 さらに8月に入って北京五輪が開幕すると開会式、ソフトボール決勝、野球予選、柔道など高視聴率を稼いだのはほとんどNHKの番組。民放連の広瀬道貞会長が「五輪というとNHKが圧倒的で、民放の影がかなり薄くなる」と嘆くほどNHKの“独り勝ち”だった。同局は「今後も、幅広い視聴者の皆さまの期待にお応えする放送をすべく、努力を重ねてまいります」としている。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)