俳優渡哲也(67)が、TOKIO長瀬智也(30)主演の日本テレビ系連続ドラマ「華麗なるスパイ」(7月18日スタート、土曜午後9時)に、内閣総理大臣役でレギュラー出演することが21日、明らかになった。2人の共演は04年のテレビ朝日系スペシャルドラマ「弟」以来、5年ぶり2度目。渡首相と長瀬スパイの協力タッグが、テロリストから日本を救うことになる。渡はこのほど、共演の深田恭子(26)杏(23)とともに会見し、お互いを語り合った。

 長瀬演じる鎧井京介は前科13犯、懲役30年の判決を受けた詐欺師だ。明石家さんまばりのトークと、石原裕次郎さんばりのタフネスさを買われ、政府のスパイになる。渡演じる吉沢総理から政府機関を通じて出されるミッションにより、次々と難事件を解決するスパイコメディーだ。

 渡は「『マイボス・マイヒーロー』を見たけど、長瀬君はすごく裕次郎さんっぽいところがある。男っぽいわりに、細やかで優しい」と頼もしげに見つめた。長瀬は「渡さんくらいかっこいい、カリスマ性のある総理だったらいいですね。ぼくらみたいな若い男たちでも見入ってしまいますから。役者としても、人間としてもすごい人。すごいという言葉しか見つからない。毎回会うたびに、背筋がピーンと伸びます」と恐縮した。

 「弟」では裕次郎さんの兄の石原慎太郎都知事の青年期を長瀬が、壮年期を渡が演じた。父親役も演じた渡が、長瀬を殴るシーンもあった。渡から「たくましくなった。前は余裕を持って殴れたけど、今ではやりかえされそうだ」と声をかけられると、長瀬は「今から5年前を見ると、ガキだったなと思う。今でもガキですけどね」と照れた。そして「裕次郎さんにあこがれていました。親の世代も、夢を見せてもらったし、レジェンド。番外編が作られるなら、今度は裕次郎さん役をやりたいですね」と話した。

 長いキャリアを誇る渡だが、コメディーは初挑戦。しかも、日本テレビの連ドラは「大都会」以来30年ぶりだ。「コメディーはやったことないんです。普通は台本を読んでからなんですけど、長瀬君とだからやると決めました。まだ分からないけど、ぶれない総理をまじめに演じて行きたい。(政治家の役作りは)慎太郎さんに聞いてみましょうか」。長瀬は「渡さんが引き受けてくれたのは信じられない。光栄です」。渡と長瀬が、日本のスパイコメディーに新境地を開いてくれそうだ。

 [2009年6月22日8時7分

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