覚せい剤取締法違反(所持)で起訴された酒井法子被告(38)が所属したサンミュージックで、事件の責任を取り創業者の相沢秀偵会長(79)が相談役に退き、相沢正久社長(60)が副社長に降格したことが1日、分かった。

 酒井被告の親代わりだったサンミュージックの相沢会長、社長の2人が責任を取ることになった。関係者によると、この日朝、相沢会長が「会長職を辞したい」と、相沢社長に申し入れた。午後から臨時役員会を開き、相沢社長の副社長降格人事も含めて全員一致で承認された。社長席は空席になる。社員には来週の全体会議で伝えられる予定。

 相沢会長はサンミュージックを創業して36年間社長を務め、04年12月から親子で会長-社長の体制になった。同会長は「進退に関してムチを打ちました。スポンサーに対しても忍びない思いでしたから、こうすることで自分の気持ちに納得がいきます」、社長も「自分たちにもペナルティーを科すべきだと思いました。行動を取らないと伝わりませんから」と話した。今後は役員報酬のカットなども行われる。

 これまで森田健作、都はるみ、桜田淳子、松田聖子、安達祐実らを見いだした。自由な社風もあって、事務所を出たタレントも少なくないが、家庭的な雰囲気は芸能界では珍しかった。オーディションで落選した酒井被告に才能を感じ、スカウトしたのは相沢会長と社長親子だった。自宅に下宿させるなど、親代わりとして23年間見守ってきたが、「子供」の不祥事の責任を取ることになった。

 会長を辞しても自分のブログ「会長のブログ」にあるように「生涯マネジャー」という信条は変わらず、今後もオーディションには赴くという。拘置中の酒井被告は23年間見守ってくれた2人の処遇をどんな思いで聞くのだろうか。

 [2009年9月2日8時45分

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