大相撲の元横綱3代目若乃花の花田勝さん(39)が企画したちゃんこ料理店「Chanko

 Dining若」の運営会社「ドリームアーク」(東京都港区、大森幹也社長)など関連3社が経営破綻(はたん)し、6日、東京地裁に自己破産を申し立てた。帝国データバンクによると負債総額は4億4700万円。同社は02年7月に花田氏が代表取締役会長として設立、都内を中心にちゃんこ店を全国展開していた。花田氏は08年11月の会長辞任後は経営に関与していなかった。現在ある15店舗は一部を除き営業継続の見通しという。

 お兄ちゃんの名前を冠したちゃんこ店が、ついに“土俵”を割ってしまった。「Chanko

 Dining若」を運営する「ドリームアーク」は角界を引退した花田氏が中心になり、02年7月に設立。東京・六本木店を皮切りに、全国に出店数を伸ばし、帝国データバンクによると最盛期の07年7月期には約16億600万円の売り上げを計上していた。だが、翌年には営業利益が6割減となるなど低迷が続き、同年ごろからは各店舗の従業員らとの間で残業代未払いなどをめぐるトラブルが相次ぐなど、厳しい資金繰りが表面化していた。

 このため、同社ではちゃんこ店から新業態のコラーゲン料理専門店「コラーゲン東京」への転換を進めるなど経営の立て直しを図っていたが、苦しい台所事情は変わらず、今回の措置となったようだ。韓国ソウル店を含む国内外15カ所で展開している店舗は、今後、一部を除いてフランチャイズ契約していた別法人によって営業継続される見通しだ。

 同社によると、花田氏は08年11月に会長職を辞任してからは経営にはかかわっていないという。現在、花田氏は実業界を離れ、タレント業に専念。テレビ、ラジオなどのレギュラーはないが、単発のゲスト出演に、年に数回の講演活動なども行っている。所属事務所ビッグベンの羽地健社長によると、花田氏は電話で「自分で立ち上げた店なので残念。継続する店もあるので頑張ってほしい」などと話しているという。

 花田氏は88年3月場所で初土俵。弟の貴乃花(現貴乃花親方)とともに「若貴時代」を築き、「お兄ちゃん」の愛称でファンに親しまれた。00年の引退後は、角界ときっぱり決別。タレント活動のかたわらスポーツキャスター、アメリカンフットボールXリーグの選手など幅広い分野で活躍を続けてきた。

 03年に東京・六本木に「Chanko

 Dining若」の1号店をオープンした際には「時間が許す限り店に出て接客したい」と話し、実際に自ら従業員の面接や、皿洗いまで手伝うなど、実業家としての第1歩に意欲を見せていた。同店は高級クラブ調の内装や照明など、それまで和風が定番だったちゃんこ店にはないおしゃれさが売りもので、当時、花田氏は「相撲で時代を変えた時のように、ちゃんこ店のイメージを一新したかった」と話していた。

 [2010年5月7日7時39分

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