シンガー・ソングライター山下達郎(57)が31日、所属レコード会社ワーナーミュージック・ジャパンの社長で、同7日に自宅で自殺した吉田敬さん(享年48)を悼んだ。東京・日本武道館で同社設立40周年記念ライブにコブクロらと出演した。

 開催中の全国ツアーで歌い続ける「希望という名の光」を始める直前に達郎が切り出した。同曲は友人で闘病中の桑田佳祐とナインティナイン岡村隆史のために歌ってきたものだった。

 山下「次は吉田社長が自ら命を絶つ1週間前に、僕のライブで聴いていた曲です。35年間歌ってきて、歌は人の幸せに尽くすためにあると思うけれど、時には人の悩みが大きければ、ちっぽけなものになることもある。それが、今の僕にとっては残念でなりません…。ただ、決して生きることを放棄してはならない。一言も話さないつもりだったけど、これだけは言いたかった」。

 実は、デビュー35年で初の日本武道館だったが「(ワーナー)所属の中で私が最年長で、言ってみれば牢名主(ろうなぬし)ですから」と自己紹介したように、アーティストを代表する責任感から、コメントしたようだ。1万人の観客に大切なメッセージを伝えるために、感傷的にならずに、淡々と話していた。

 [2010年11月1日7時54分

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