元モーニング娘。のタレント加護亜依(23)が11日正午ごろ、東京・港区の自宅マンションで倒れているのを事務所関係者が見つけ119番通報した。加護は都内の病院に救急搬送された。大量の精神安定剤を服用し意識が薄れ、手首には切り傷があった。命に別条はない。加護から事情を聴いた警視庁麻布署は、自殺未遂とみている。今月6日、同居していた会社役員安藤陽彦容疑者(44)が恐喝未遂の疑いで逮捕されていた。

 麻布署によるとこの日、加護は事務所関係者に自殺をほのめかす電話をしていた。心配になった関係者が自宅マンションを訪れたところ、加護を発見し119番通報した。救急隊の呼び掛けに対し、加護は取り乱すこともなく名前を名乗ったという。精神安定剤など何らかの薬を飲んだとみられ、意識がもうろうとしていた。手首の傷は浅く、止血したガーゼに血がにじむ程度だったという。遺書はなく、動機は不明。搬送された都内の病院にはマスコミ各社が詰め掛けたが、病院側は「何も話せません」とだけ答えた。

 加護の所属事務所メインストリームの伊藤和幸社長はこの日夜、加護が入院する病院を訪れたが、会えなかった。伊藤社長は「面会制限がかかっており、会えなかった。誰が面会を制限したか分からない。明日(12日)再び確認し、制限がとけたらできる限り早く会いたい。分からないことだらけでビックリしている」と話した。

 社長は、病室で加護に付き添っている人はいないとみている。また、加護の自殺未遂を通報した「関係者」について、社長は、メインストリーム側の関係者ではないことを断言した。

 伊藤社長は約半年前から加護と連絡が取れていないという。社長は、加護の交際相手の安藤容疑者の名を挙げ「逮捕後も(加護が)安藤の家にいたことが驚きだ。安藤のマインドコントロールがまだ解けていないと思う。彼は相当な詐欺師で、加護をだますくらい簡単だ」と批判。今後のマネジメントについては「本人とよく話したい」と述べた。

 今月6日には、加護と同居していた交際相手の安藤容疑者が、暴力団との親密な交際を持ち出した恐喝未遂容疑で逮捕されたばかり。昨年8月から交際を始め、今年1月から同居していた。逮捕時には加護もその場にいたとされ、近親者として警視庁の事情聴取を受けていた。

 加護は過去にも自殺未遂の経験があり、08年に成田空港で行った復帰会見で告白している。2度の喫煙騒動で07年に所属事務所を解雇された後に自暴自棄になり、衝動的にはさみで左手首を切った。「傷痕は残っています。人間として最悪なことをしたので、やらないって決めました」と話していた。

 芸能活動を再開させ、08年にエッセー「LIVE

 未成年白書」の出版会見を行った際には「当時はどん底だったのかなと考えられるくらい今は前向き。人生の金メダルを取りたい」と、心機一転を語っていた。

 その後、仕事は順調だったが、昨年8月に安藤容疑者と出会って以降、仕事をドタキャンするなどして所属事務所に損害を与える騒ぎを起こした。事務所から謹慎処分を受け、芸能活動は暗礁に乗り上げていた。今年1月、同容疑者を通じて独立を訴えたが、契約が2年残っていることを理由に事務所側が拒否。表だって芸能活動ができない上に、頼っていた安藤容疑者が逮捕され、今後に悲観したのかもしれない。