7日に肺炎のため死去した俳優二谷英明(にたに・ひであき)さん(享年81)の通夜が10日、東京・芝公園の増上寺光摂殿でしめやかに営まれた。日活時代の仲間だった俳優小林旭(73)女優松原智恵子(67)、長女で元女優二谷友里恵さん(47)の元夫で歌手郷ひろみ(56)ら約1000人が参列した。

 遺影に別れを告げた松原は「みんなから二谷パパと慕われていた。照れくさそうにした笑顔が印象的だった」としのんだ。03年に脳梗塞を患って、芸能活動を休止。仲間の会合にも出なくなり心配していたという。「もっとみんなを引っ張って欲しかった」と涙を浮かべた。

 祭壇は、二谷さんが愛情を注いだ娘友里恵さんの名前にちなんだユリ中心の白い花で包まれ、たばこを手にした遺影が飾られた。関係者によると、昨年、部屋を整理している時に偶然見つけた写真で、禁煙して10年以上たつことから、それ以前のものだという。遺族が「元気だったころの格好いい写真」とお気に入りで、友里恵さんも「まさか、ここで使うとは思ってもいなかった」と話したという。

 ひつぎには、愛用めがねと、かつて愛好したたばこ2種類を入れるという。「天国で思う存分吸ってほしい」との思いからだ。戒名は、慈雲院学徳俊英居士。「優しく慈しむ大きな心と優れたものを持つ人」の意味が込められている。

 今日11日午前11時から、同所で葬儀・告別式が営まれ、二谷さんの妻で喪主の白川由美(しらかわ・ゆみ、本名・二谷安基子=にたに・あきこ、75)と親しく、友里恵さんとドラマ「家族ゲーム2」で共演した音楽家長渕剛(55)が弔辞を読む。白川は、ショックが大きく取材に応じなかった。