お笑いコンビ爆笑問題の太田光(46)が21日、都内で、2作目となる小説「文明の子」(ダイヤモンド社)の発売会見を行った。第一声から「年明けからお騒がせしていた隠し子について、ここでおわび申し上げます」と、ブラックジョークで幕を開けた。

 会見でも太田節は止まらない。出版の感想を聞かれ、「気の弱い選考委員がショックでひっくり返って都政に混乱があるといけないので、出してやるよと、そういう感じで書きました」。17日に「共喰い」で芥川賞を受賞した田中慎弥氏(39)が、選考委員だった石原慎太郎都知事(79)にかみ付いた不機嫌会見を引用した。同会見については「面白いですね~。(風貌が)俺に似てると言われる。でも名前が田中なんだよね。1人爆笑問題だな」と話した。

 前作「マボロシの鳥」は10年に出版。そのころから本作の構想はあったが昨年の震災後、原発を含めた文明を再考し、内容も変更した。「(原発の影響で)もう日本に住めるところはないなどと、がなり立てていた表現者が許せなかった。なんとか現代文明を肯定的に書きたかった」。多忙の中「常にパソコンを開けて、暇があれば2行だけでもいいから、少しずつ書いてきた」。誘惑は「途中、エロ画像を見てしまう」ことだった。

 目標部数は「140万部ぐらい」と大きく出た太田だが、初版は5万1000部。前作出版の同時期には水嶋ヒロの「KAGEROU」(ポプラ社)が店頭に並び、「水嶋ヒロにひどい目に遭った」と話す。今回も同社から浅田真央(21)のエッセーが発売予定だったが、中止となり「助かってます。またポプラ社か~って思ってました」と冗談交じりにホッと一息。しかし、最後には「(出版中止は)残念ですよね」と、浅田らを気遣った。【三須一紀】