歌舞伎俳優坂東三津五郎(56)が8月31日、後輩の市川染五郎(39)を気遣った。この日、10月の東京・国立劇場公演「塩原多助一代記」キャンペーンで足立区の東陽寺にある「多助の墓」を訪れた。その際、舞台セリから転落し、打撲と骨折で病床にある染五郎について「後に残るものじゃなくて良かった。早く回復を」とエールを送った。「塩原-」は、正直な心を持つ多助が江戸屈指の商人になるまでを描いた三遊亭円朝の人情話の歌舞伎化。愛馬青との別れの場面など見どころも多い。52年ぶり上演で、三津五郎は「多助はユニークな人物で面白い。完ぺきに忘れられないうちに作品に命を与えることも大事」と話した。染五郎は現段階で、翌11月の国立劇場公演に出演予定。