アニメからアイドルユニットを生み出す新オーディション「Wake

 Up’Girls!

 AUDITION」が10日から始まり、同日、東京・浜松町の文化放送で会見が行われた。エイベックスと声優事務所大手81プロデュースがタッグを組み、22歳までの新人女性7人を選出。07年の人気アニメ「らき☆すた」などで知られる山本寛監督(38)が手がける新作アニメ「Wake

 Up’Girls!」(放送日、放送局など未定)でデビューさせる取り組みだ。

 アニメは東北を舞台に7人の女の子がアイドルを目指す青春群像劇で、7人を演じる声優がアイドルユニットを組んで歌手としても活動する。第1次オーディションは10月31日まで行われ、11月の2次審査を経て12月に最終審査が行われる。山本監督は「飽和状態のアイドルシーンに打って出るのは無謀だと思いますが、アニメからアイドルを生み出す動きはなかったのでは」と強調した。

 アニメに出演する声優がユニットを組み、演じるキャラクターとして“キャラソン”を歌うケースはあるが、今回は無名の新人を選ぶ。同監督は「売れないところから努力してブレークする物語こそ、アイドルの醍醐味(だいごみ)で僕らに夢を与える。アニメの物語とシンクロするのでは」と狙いを語った。

 2次元の世界で展開されるアニメに現実が深く絡むことに、抵抗感を訴えるアニメファンは少なくない。今回の企画も受け入れられる保証はないが、山本監督は「3次元と2次元の壁は大きな問題。相いれない部分、見えない溝があるが、それをあえて越えて見せようという試み」と言った。

 また、同監督は東日本大震災復興支援も念頭に置いていると強調した。「(ファンが舞台を訪れる)“聖地巡礼”やイベントなどの地域振興を企画中です」と明かした。【村上幸将】

 ◆アイドルとアニメ

 アイドルをプロデュースするゲームを基に昨年7月からTBS系で放送された「THE

 IDOLM@STER」(アイドルマスター)は、声優がキャラとして歌う“キャラソン”も人気で、今年4月30日付オリコン週間シングルランキングでは、史上初の5作同時トップ10入り。またAKB48をモデルに、渡辺麻友らが声優も務めた「AKB0048」も、4月から全国各局で放送された。