90年代に活躍したロックバンドSIAM

 SHADE(シャム・シェイド)が音楽活動を本格的に再開させることが24日、分かった。02年に解散後、一時的な再結成はしてきたが、今年秋にスタートさせる全国ツアーに向け、11年ぶりに本格的な再結成を決意した。再結成の背景には、バンドの「育ての親」だったマネジャーの七回忌というタイミングもあった。

 機は熟した。本格的な音楽活動再開に向けて、メンバー5人は「今でも俺たちが築き上げた音楽を愛し、支持し、熱い声援を送ってくれるファンのみんなのために、メンバー1人1人が純粋にその声に応えたいという気持ちでいっぱいです」とコメントした。

 SIAM

 SHADEは02年3月10日の東京・日本武道館公演で「メンバー5人それぞれが自分の道を歩むことが最善」と判断して解散した。5年後の07年にバンドの「生みの親」であり「恩人」だったマネジャーの中村新一さんが亡くなり、同年11月に一夜限りの追悼ライブを日本武道館で行った。さらに11年にも東日本大震災の復興支援のため、期間限定でライブを2度行い、ファンを喜ばせたが、目的はあくまでも支援活動。その後は“沈黙”していた。

 今回の音楽活動再開に向けた11年ぶりの本格的再結成の背景には、今日25日に迎えるマネジャーだった中村さんの七回忌があった。10月27日のさいたまスーパーアリーナ公演を皮切りに、12年ぶりの全国ツアーを行う予定だ。5人は「メンバーそれぞれの心にも大きな変化があり、七回忌というきっかけで再び集うライブではあります」。再結成決意は、ファンの期待に応える気持ちとともに、今も感謝の気持ちでいっぱいの中村さんに向けた「メッセージ」でもあったようだ。

 今年秋の全国ツアー後の活動については模索中だ。メンバーは「今後については語れませんが、全身全霊、全力でこのツアーに挑みます」と話している。90年代のバンドブームをけん引した「伝説のバンド」の再スタートとして注目されそうだ。

 ◆SIAM

 SHADE(シャム・シェイド)

 KAZUMA(ギター兼ボーカル)淳士(ドラム)栄喜(ボーカル)NATIN(ベース)DAITA(ギター)の5人組。95年10月にシングル「Rain」でメジャーデビュー。97年シングル「1/3の純情な感情」が80万枚突破のヒット。00年7月に30万人が集まった韓国・釜山国際ロックフェスティバルで公演して話題に。人気絶頂の中、02年3月の東京・日本武道館公演で解散した。