アンジャッシュ渡部建(40)が28日、甲子園出場を逃した母校、都立日野の健闘をたたえた。この日、神宮球場で行われた全国高校野球西東京大会決勝を観戦。都立日野は、強豪日大三に力及ばず0-5で敗れた。試合終了の瞬間、渡部はじっとグラウンドを見つめた後、デジタルカメラを取り出して後輩たちにレンズを向けた。そして、日大三・小倉全由監督(56)の優勝インタビューに聞き入り、第一声を発した。

 「(日野の)池田投手はこの夏一番良かった。でも、さすが日大三高」

 母校が準決勝に進出した09年の快進撃に刺激され、球場通いが始まった。その際も都立日野は日大三に6-7で惜敗した。それでも母校を信じ、「高校野球に全然興味のないやつだけど、無理やり連れて行きますよ」と同級生で相方の児島一哉(41)との甲子園行きを口にしていたが、今夏も願いはかなわなかった。

 だが、母校をきっかけに「高校野球ファン」になった渡部は、一昨夏の全国王者日大三にもエールを送った。「相当(甲子園でも)やれると思います。全力で応援しますよ。日大三高も大好きですから」。昨年9月、40歳の誕生日に芸人の後輩から小倉監督のサインボールをプレゼントされた縁もあった。「練習はうそをつかない」という同校の有名な標語が記されていたという。

 だからこそ、スケジュールをぬって、甲子園にも1度は足を運ぶと明言した。その上で、「後輩たちには本当に元気をもらいました。ご苦労さまと言いたいです。今日は酒を飲みたいですね」と言った。やけ酒ではなく、いい試合を見せてもらった感謝の酒になりそうな笑顔だった。【三須一紀】