NHK連続テレビ小説「あまちゃん」主演の能年玲奈(20)が1日、「あまちゃん2」の制作を猛アピールした。この日、東京・渋谷区の同局で撮影がクランクアップし、取材会では1人海女の姿で登場。くす玉を割ったが、涙に暮れることなく「私の頭の中は『あまちゃん2』のクランクインしかないんです」と、訓覇(くるべ)圭チーフ・プロデューサーに直訴した。

 直訴された訓覇氏は、心の中で「じぇじぇじぇ」と叫んだことだろう。約10カ月の長い撮影期間をついに終え、くす玉や花束で盛大に祝福された能年だったが、あまちゃん愛は落ち着くどころか、ヒートアップしていた。

 最初こそ「最高の1年で胸がいっぱいです」と言ったが、記者から「ファンは9月の放送終了後に、楽しみがなくなり抜け殻になることを恐れています」と振られると、待ってましたとばかりに「私も待ち望んでるのが『あまちゃん2』の撮影です。皆さんからも訓覇さんに『よろしくお願いします』と頼んでください」と即答した。

 今後のオフの過ごし方を聞かれても「やっぱり、『あまちゃん2』のクランクインで、大好きな共演者の皆さんとお会いしたい」と言い、司会者に「プライベートでやりたいことについてですよ」と問い直されても「いや、そのことで頭がいっぱいで、他は何も考えられません!!」。ヒロイン天野アキのごとく願いを訴え続ける能年の迫力に押され気味の訓覇氏は「まだ終わったばかりなので…、頭の片隅にもない」と苦笑いするのでいっぱいだった。

 クランクアップシーンは、9月20日放送の第149回、震災後の北三陸の魅力を全国に向かってアピールするため、アキとユイ(橋本愛)のビデオメッセージをヒロシ(小池徹平)が撮影するシーンだった。このシーンが会見場で流されると、能年はかすかに涙ぐんだが、それ以外は笑顔を通した。通常、ヒロインは完走の達成感を涙で表現するが、能年はこの日もアキのまま。最高の当たり役になったことは、誰もが認めるところで「次に湧き起こる感情に素直に入って、突っ走れるアキちゃんがかっこいいと憧れてました。私もアキちゃんみたいになりたいです」。他の質問ではオドオドしていても、「続編の直訴」した瞬間だけは、思い込んだら突っ走るアキになりきった。

 その上で能年は「『じぇじぇ』は一番気に入ったセリフなので、たまに街で聞くと、1人でニヤニヤしちゃってます。私もここぞってときに、どんどんバンバン使っていきます!」と笑った。じぇじぇじぇの流行、関連音楽のヒット、ロケ地の盛り上がり…。収録は終了したが、放送は9月末まで。残り2カ月で「あまちゃん」がさらなる社会現象を引き起こすか。能年自身もそれを楽しみしている。【瀬津真也】<あまちゃん現象アラカルト>

 ◆オープニング曲

 5月の配信開始と同時にレコチョク「着うた」デーリー1位。初週は週間1位に。

 ◆オリジナルサウンドトラックアルバム

 6月19日に発売、オリコン週間ランキング初登場5位。

 ◆GMT47

 アキらご当地アイドルで結成したグループが歌う、先輩グループ「アメ横女学園芸能コース」のヒット曲「暦の上ではディセンバー」が、6月に配信開始。同曲は実在のアイドルグループ、ベイビーレイズが歌っており、今月21日にシングルCDをリリースする。

 ◆潮騒のメモリー

 ドラマの挿入歌「潮騒のメモリー」を小泉今日子が歌い、役の天野春子名で7月31日にシングルCDリリースし、オリコンデーリーチャート初登場3位。能年は同日更新のブログで、このCDを買いに行った際の変装姿を公開。なお、先行配信で同17~23日のレコチョク「着うた」ウイークリーランキングでは初登場1位。

 ◆地元も熱気

 毎夏、「北限の海女」が素潜りを披露する岩手県久慈市の小袖海岸には、ゴールデンウイークに約1万人の観光客が訪れた。

 ◆まめぶ汁

 同市の郷土食がドラマで登場し、人気グルメに。東京・NHKスタジオパーク内のレストランで提供されている。

 ◆NHK連続テレビ小説の続編

 00年の田畑智子主演「私の青空」は、02年に月曜ドラマシリーズとして全8回の続編が実現した。01年の国仲涼子主演「ちゅらさん」は03年に6回、04年に5回、07年に2回とシリーズ4まで続いた。07年の比嘉愛未主演「どんど晴れ」も11年に特番を2回。07年「ちりとてちん」と昨年の「梅ちゃん先生」などは、スピンオフ作品が放送されている。