女優米倉涼子(38)主演のテレビ朝日系連続ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子」(木曜午後9時)の第2弾が放送されることが19日、分かった。10月からスタートする。前作は平均視聴率19・1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ、関西は18・6%)を記録し、昨年の民放連続ドラマで首位を獲得したヒット作だ。民放5局の平均視聴率で初の年間3冠王を狙うテレビ朝日が、切り札となる作品でラストスパートを仕掛ける。

 米倉は前作の収録終了直後から「きっとまたやるよね」と続編制作を熱望していた。言葉どおりに正式に制作が決まり、収録は19日からスタート。「今回も期待を裏切らない話になっています。意外性がたっぷりで1話から、しっかり裏切ってくれますよ」。自信満々で現場に立っている。

 米倉演じる主人公は、天才的な腕を持ちながら組織に属さず、病院を渡り歩くフリーの外科医、大門未知子。権威や束縛を嫌い、たたき上げの技術を武器にする。作品は、その型破りな言動と活躍を通して医師の品格を問う医療ドラマだった。舞台を大学病院の分院から本院に移し、医療小説の名作「白い巨塔」を思わせる大病院という巨大組織に挑む姿を描く。第1話では安楽死させられる直前の競走馬を手術して助けるなどエピソードもスケールアップする。

 視聴率争いを展開中のテレ朝としても肝いりの作品だ。前作最終回は平均視聴率24・4%を記録。優れた脚本や番組に贈られる向田邦子賞や橋田寿賀子賞を受賞するなど、名実ともに昨年を代表するドラマだ。同局は18日時点で、全日帯7・9%、ゴールデンタイム12・0%、プライムタイム12・3%で3冠王を維持しているが、全日帯のみ日本テレビと同率首位だ。「ドクターX」は、同じ10月にスタートする「相棒12」(水曜午後9時)とともに、1959年(昭34)の開局以来初の民放年間視聴率3冠王獲得に向け、カギを握る作品となる。

 今年の民放ドラマは、TBS系「半沢直樹」が11日放送(第5話)で平均視聴率29・0%を記録するなど大ヒット中だ。決めぜりふの「倍返しだ!」が人気を呼んでいるが、「ドクターX」の大門にも「私、失敗しないので!」という決めぜりふがある。昨年の視聴率王者の意地を見せ、今年も頂点を目指す。