2020年東京五輪開催決定に貢献したフリーアナウンサーの滝川クリステル(35)が10日、成田空港着の航空機で帰国した。国際オリンピック委員会(IOC)総会最終プレゼンテーションで、フランス語で東京の安全と日本の「おもてなし」の精神をアピール。空港ではこれに感動した利用客から拍手と声援を浴びた。この大仕事で滝川のCM評価額も上昇。新たな仕事も殺到している。

 滝川がステージを上げた。CM総合研究所の主席研究員関根心太郎氏は、滝川について「説得力のある語り口調が特徴でしたが、今回のプレゼンテーションであらためてその特徴が見直される」と分析した。

 滝川は現在、サッポロビール「ヱビスビール」や、日本通運「世界日通」などのCMに出演。どれも、商品やサービスの魅力を滝川が語り伝える内容だ。関根氏は「企業の資産であるブランドを語りで魅力を伝えられるのはほかに、吉永小百合さんや矢沢永吉さんら経験と実績がある人たち。滝川さんは、経験というより落ち着いた語り口調で起用されてきたと思いますが、今回、経験と実績が加わりました」と分析した。

 滝川のCM評価額については、大手広告代理店関係者は「倍以上にはなる」と指摘した。「現在は1本3000万円程度と聞いていますが、今後、多くのオファーが集まるのは必至。出演の数をこなせば評価額も上がるわけで、少なくとも倍以上になるのでは」。

 また、放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏は、滝川のプレゼンテーションについて「日本をレベルアップさせた。誰もが認める、教材になってもいいほどの出来。1万点をあげたい」と絶賛。品位の良さが感じられたといい、「焦りやハングリーさがあまり感じられないのがいい。タレントだったら『このスピーチはおいしい』と思いそうだけど、それがない」と話す。

 今後については「東京五輪まで彼女が『顔』になっていくんだろうけど、しばらくは貴重感を保って、慎重に仕事を選ばないとね」とアドバイス。五輪後も予想し、「参院選に出るというのが見えましたね。何度も彼女とは会ってますが、もう少し仲良くしておけばよかったな~(笑い)」と悔しがった。