ロックバンド、エレファントカシマシが14日、約1年ぶりに東京・日比谷野外音楽堂(野音)で活動を再開した。昨年9月にボーカル宮本浩次(47)が急性感音難聴と外リンパ瘻(ろう)と診断され、同10月14日に野音でファンに思いを伝えて以来、活動を休止していたが、今年7月に医師からゴーサインが出て活動再開を決意。ファンとの間で「聖地」とした野音での公演は24年連続で、約3000人が駆けつけた。

 登場した宮本は右拳を何度も振り上げ、シャウト。ファンが復帰に歓喜し、宮本もファンとの再会を喜んだ。「ハロー、エブリバディ!

 よく来てくれた。ギター重いぜ」。

 昨年10月14日、宮本は野音でファンに「絶対に戻って参ります」と言った。その約束を果たすため、懸命に自宅療養に努めた。担当医の指示で、大声で歌うことや、大きな音を聞くことを控え、意識して歩き、ハリ治療も受けた。一方で、1月から曲作りを再開し約50曲を制作。7月上旬には担当医から復帰へ、お墨付きも出た。聴力はほぼ回復。迷わず復帰を決めた。

 復活をアピールするように、バンド演奏で20曲以上を歌い上げた。新曲「あなたへ」で自身の復帰と重なる愛と希望を伝え、ヒット曲「悲しみの果て」「今宵の月のように」などで野音を熱くした。宮本は「耳はよく聞こえる。あいつがデッカイことやろうとしているらしいぜ!

 一緒にやろうぜ!」と、高らかに復活ののろしを上げた。