知人の男がバングラデシュで治療を受けたと偽り、国民健康保険の海外療養費をだまし取ったとして、警視庁は27日までに詐欺容疑でタレントのローラ(24)の父親、ジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者を逮捕した。同容疑者は「私は100%関係ない」と容疑を否認している。

 ジュリップ容疑者は、共謀した仲間が逮捕された直後の12年8月1日に母国のバングラデシュへ出国していたが、23日に日本に再入国。警視庁が逮捕状を取り、昨年5月24日に国際手配していたこともあり、26日に弁護士と杉並署に出頭。捜査関係者によると、同容疑者は「家族が心配で帰ってきた。ローラには迷惑が掛かるので会っていない」と話しているという。

 逮捕容疑は、詐欺罪で服役中のバングラデシュ国籍の男(47)が、08年12月12日から翌09年1月17日にかけて同国内の病院で治療を受けたとする虚偽の診療内容証明書などを世田谷区役所に提出。国民健康保険療養費と、医療費の自己負担が高額になった場合に払い戻される高額医療費を合わせ、87万5700円を振り込ませた疑い。警視庁組織犯罪対策1課は、ジュリップ容疑者が男に詐欺の手口を教え、40万円を受け取ったとみている。さらに同容疑者を中心としたグループが、杉並区などでも同様の手口で合計約1200万円をだまし取ったとして調べている。