映画「相棒-劇場版3-巨大密室!

 特命係

 絶海の孤島へ」(和泉聖治監督)の初日舞台あいさつが行われた東京都中央区の丸の内TOEI1と同ビルの東映本社で26日、舞台あいさつ中に本物の窃盗事件が発生した。警備員が容疑者を取り押さえ、警察官が逮捕。近年、映画各社に不審者が忍び込み注意が喚起されてきた中、東映と「相棒」が犯罪をストップした。

 1階の劇場で、主演の水谷豊(61)が「ようこそ相棒ワールドへ。警視庁特命係、杉下右京です」と語っていた午前11時35分ころ、7階の同社宣伝部が「相棒」顔負けの事件現場になっていた。舞台あいさつ中で社員が少ない中、女性社員が試写室付近の廊下を歩く不審な小太りの男に気付き、警備員を呼び警察に通報した。

 警備員が身分証の提示を求めると、男は同社で2年前まで使用していた関係者パスを出し、「通用しない」と言われると「1階に身分証がある」と劇場脇のマスコミ待機場所に向かった。「ないんじゃないか」と追及されると暴れたため、警備員3人に取り押さえられ、同11時48分に警視庁築地署員に建造物侵入と窃盗容疑で現行犯逮捕された。

 男は千葉県市川市在住の高橋甲子雄(きねお)容疑者(50)。持っていた袋には、市川海老蔵主演「喰女-クイメ-」(三池崇史監督、8月23日公開)のマスコミ用資料100部が入っていた。「盗んだのは間違いない」と容疑を認めた。

 近年、複数の映画会社が非売品資料目当てとみられる、不法侵入者の被害に遭っていた。日本映画製作者連盟が注意を促すため各社に送った、防犯カメラ画像に写っていた男が高橋容疑者とみられる。第1発見者の女性社員は「うちにも何回も入っている。1年以上前から見ていて(画像に)見覚えがあった」と語った。同容疑者が提示したパスは現在使用されておらず、盗まれたものの可能性が高いという。

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