前開催に行われたA2下のしらさぎ賞トライアル、ティアラCは無敗の11連勝でジゼル(牝5、山中)が制した。B1から格上挑戦で戸惑ったか、それまでの逃げか外の2、3番手とはいかず、初めて中団からの競馬。これには戦前に流れの違いを懸念していた山中師も「1、2コーナーでだめかと思った」そうだが、勝負どころから追い上げ、直線で先に抜け出したツーシャドーを離れた外から並ぶ間もなく差し切った。

森騎手は「この展開で勝ち切るんだから、やっぱり並の馬ではないですね。普通は負けますよ」と驚嘆。本番に向けては「1回で慣れるかどうかは分からないけど、トライアルとしてはいい形で勝てたんじゃないかな」と話していた。能力も「単純に走るということだけで言えばすごい才能がある。もともとのポテンシャルが高い」と評価。それでも「競馬は速力だけで決まらないので」と話す。

本番のしらさぎ賞でも連勝を伸ばすのか。相手には昨秋に園田の楠賞を好時計で圧勝して今春の目標をここに定めていたボヌールバローズもいる。休み明けのトライアルでは2着に敗れたツーシャドーも昨年は格不足で出走がかなわず今年こその意気込み。まさに試金石の一戦だ。【牛山基康】