沖縄で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」で23日、歌手GACKT(43)が14年ぶり2度目の主演映画「カーラヌカン」(9月公開)の舞台あいさつに出席した。

 GACKTが演じるのは世界的に活躍する写真家・大山光。沖縄・八重山諸島の自然の中で、美少女・石垣真海(木村涼香=19)を撮影中に突然、滝上から強い太陽光を浴び、真海のは消えていた。それから4年、大山は真海を沖縄の自然の中で探し続ける。そして、その心の中には真海に対する愛が生まれていた。

 沖縄出身のGACKTは「沖縄の美しさが詰め込まれている作品になっていると思う。今まで、あまりオープンになっていなかった、沖縄の美しさが届けばいい」。映画初出演だった03年の「MOON CHILD」以来の映画主演。「以前から沖縄に何か貢献できないかと、ずっと思っていた。沖縄に縁のある作品で恩返しをしたい」と話した。

 浜野安宏監督は「この映画は愛というものに焦点を当てている。都会でモテモテの男が初めて恋をする物語。圧倒的な自然を背景に、圧倒的な愛を描いた」。浜野安宏監督は、ファッションや街づくりを手掛けるライフスタイルプロデューサー。日大芸術学部映画学科卒だが映画監督は初めてだ。「映画の学校を出て、長い長いロケハンの後にたどり着いた。主演はGACKTしかいない。断られると思ったけど、一発でOKしてくれた」。GACKTは「オファーを受けて『考えさせてください』って言ったのに、すぐOKと思っていた(笑い)。思いこみの強い、不思議な人です」と振り返った。

 ヒロイン真海を演じる木村涼香(19)は、昨年の沖縄国際映画祭で行われた最終オーディションを勝ち抜き、7000人の応募者の頂点に立った。演技は未経験だったが「最初は緊張しましたが、GACKTさんも皆さんも、すごく優しくて、楽しく撮影できました。カメラが回っていない時は、ちゃんと会話をしてくれました」。クールで近寄りがたい印象を持たれやすいGACKTだが「僕はあんまり、(他人と)壁がない。見た目が、こんな感じだけど意外にね。彼女とも、すぐに仲間になれた。僕の勘違いかもしれないけどね」と笑った。

 東京の青山に事務所を構える広告代理店社長役のお笑いタレント木村祐一(54)は「ガックン(GACKT)には、ジャンケンで1度、勝ったことがあります。他は何も勝てないけどね。見た目が汚いから沖縄での撮影には参加させてもらえませんでした。でも、ガックンにカメラマン役の指導に来た(カメラマンの)加納典明さんがやり過ぎですごかった」。GACKTは「加納さんと会うのは2回目だったんすけど『初めまして』って、あいさつをしてきた。『2回目です』って言ったら『俺は覚えてないんだよ』って(笑い)。『この役は、俺の若い時だから』って、ここにも思いこみの激しい人がいました」と笑った。