日本バスケットボール協会が男子トップリーグとして公認するナショナルリーグ(NBL)に異常事態が発生した。NBLは元日本代表の岡田優介選手会長(30)ら選手15人中11人が、つくばから自由契約になったと発表。6日に次戦を控えるが、現状では人数不足で試合開催が不可能となった。つくばは10月に運営会社の経営が悪化し、NBLの管理下に置かれていた。国際連盟(FIBA)から資格停止を受け、事実上自治権を剥奪された日本協会に、新たな問題が噴出した。

 日本バスケットボール界に、新たな激震が走った。日本協会公認トップリーグNBLのつくばが、シーズン中に崩壊危機を迎えた。選手15人中11人が、1日からの契約を解除された。現在の所属は4人。次戦は6日の千葉戦(茨城・久慈サンピア日立スポーツセンター)が控える。リーグ戦参加に最低10人の登録が必要。NBLはシーズン中にチーム消滅の危機という異常事態に直面した。

 今回11人と契約合意に至らなかったが、その中には日本バスケットボール選手会会長で元日本代表の岡田も含まれていた。

 岡田

 時が来たら全部話しますが、つくばの1チームの問題ではない。日本協会、NBLのガバナンス(組織統治)に密接に関わる問題です。

 つくばは10月に、運営会社だったいばらきスポーツアカデミーの経営状況が悪化。NBLは当面の間、リーグ管理下で運営することを決めた。10月までNBLの専務理事を務めた山谷拓志氏(44)がチームの立て直しに乗り込んだが、逆に反発を招き、今回の事態を招いた。

 NBLはJBLから名称変更した12年、チーム数を8から12に増やした。日本協会の方針もあり、クラブチームを増やし、今季は13チームに増加。だが、つくばは今季、開幕から16連敗中で経営危機問題を起こした。和歌山には出来高払い報酬の未払いも発覚。他にも複数のチームの運営会社に経営危機がうわさされる。チームの資格審査の甘さが問われても仕方がない。

 日本協会公認のトップリーグで起きた異常事態。FIBAから求められたTKbjリーグとの統一ができず、国際試合出場停止など、無期限の資格停止処分を受けた。もっとも、NBL自体が揺らぐ現状では統一どころではない。FIBAから問題視され続けた日本協会のガバナンスが、またも問われる事態を招いた。