西島壮絶、ハントにKO負け/PRIDE
<PRIDE31>◇26日◇さいたまスーパーアリーナ◇観衆2万2141人
ボクシング元東洋太平洋クルーザー級王者の西島洋介(32=高田道場)が、総合格闘家デビュー戦で壮絶に散った。01年K−1GP王者のマーク・ハントに、3回1分18秒KO負け。だが、真っ向から打撃戦を挑み、殴られても蹴られても最後まで前に出た。5月5日開幕の無差別級GP出場権が懸かった査定試合で、この世界で生きていく心意気を示し、高く評価した主催のDSE榊原信行社長も推薦を約束した。
西島の金星を期待するムードが、確実に高まっていった。1回に鼻血を出し、2回には右目の上を大きく腫らした。それでも逃げない。ロープに追い詰められても、ハントのパンチを寸前で見切ってかわした。2回からはキック攻撃が許されていることも忘れたかのように、パンチを出し続けた。だが、最後は左フック、右ストレートのワンツーパンチを浴び、ひざからマットに崩れ落ちた。
体格差は明らかだった。西島の95・5キロに対しハントは132・5キロ。37キロもの差があったが、有利になるルールは選ばなかった。ミドル級とヘビー級との対戦で10キロ以上の差がある場合は、両手、両足をマットについた状態でのひざ蹴りが認められない。だが、あえてこれを認め、あくまでもスタンド状態での勝負を挑んだ。
試合後は病院に直行し、コメントを残さず引き揚げた。だが西島の心意気を肌で感じたハントは「パンチが強かったが、それ以上にハートが強い」と絶賛。DSEの榊原社長も「早く次の試合を見てみたい。大きなけがもないと聞いているので、GPに推薦したい。GPでも心の部分はチャンピオンクラス」と無差別級GP出場枠16人の有力候補に挙げた。
戦い方はボクシング時代と変わらなかったが、気持ちは総合格闘家だった。榊原社長は「後がないがけっぷちの男の、折れない心に感銘を受けた」と話した。観衆も2回途中から、西島のパンチが当たるたびに拍手喝采。確かに完敗。だが「総合格闘家・西島洋介」を証明した。【高田文太】
[2006/2/27/09:44 紙面から]
写真=ハントのハードパンチを浴びる西島(撮影・中島郁夫)
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