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DJF前代表の高橋力氏が激白

11月25日、ジャパンカップを制したアドマイヤムーンと高橋力氏(右端)
11月25日、ジャパンカップを制したアドマイヤムーンと高橋力氏(右端)

 先月27日にダーレー・ジャパン・ファーム(DJF)の中央馬主資格を返上した高橋力氏(60)が、代表辞任後初めて取材に応じ、日本競馬の行く末を案じた。パート1国としての役割を求められる国際化の中で、守るべき生産基盤の安定第一を唱えた。

 アドマイヤムーンでジャパンCを制覇した2日後の馬主資格電撃返上、DJF代表電撃辞任は競馬サークルを驚かせた。主たる原因はモハメド殿下側近で実権を握る急進的なジョン・ファーガソン氏と、日本とダーレーの融合を目指す高橋氏の、方向性の相違とされていた。

 高橋氏「ポリシーの違いは、すごく重要な話。日本の競馬や生産に対する考え方が違ってきていた。平行線、あるいはどんどん離れてしまっていた。我慢して続けるわけにもいかない。身を引くのに、いい時期だったのかもしれない。ジャパンCは最後まで使うかどうかでゴタゴタして、松田(博資)調教師には大変な迷惑を掛けた。無事に帰ってきてくれたのが何より。ホッとした。ただ、国際レースで日本の馬が勝ったのに、日の丸が揚がらなかったのは非常に残念だった」。

 欧米だけでなく日本市場にも根を張りつつあるダーレーは、高橋氏が土台をつくって馬の売買、生産、種牡馬事業を軌道に乗せた。だが、馬主としての活動はできない。非居住外国人の馬主資格は認められていないからだ。しかし、今後はパート1国に昇格した日本に対して、外国人馬主認可を求める声が上がる可能性は否定できない。

 高橋氏「パート1になって、馬主や生産者にメリットがあるのでしょうか。日本の馬がどんどん売れるとなれば必要かもしれないが、そんな様子はない。果たして日本に有利になるのか。不利になるようでは意味がない。それで競馬や生産がおかしくなっては本末転倒。中央・地方の主催者や日本軽種馬協会は日本の競馬を安売りしないで、もっと大事にした方がいい。ほかのスポーツでもそうだが、日本が強くなると規則が変えられてしまう。水泳や柔道のようにね。競馬もそうなるかもしれない。それが怖い。守るべきところは絶対に守らないといけない。香港はパート2でも発展しているし、国際競走はジャパンC以上に盛り上がっている」。

 モハメド殿下とは第3回ジャパンCに来日したハイホークからの縁で、90年にJRAを退職してからダーレーにかかわってきた。外にあっても第一に願ったのは日本競馬の発展だった。

 高橋氏「日本の路線を、いかに世界の連中に分からせるか。それをいつも念頭に置いて、ダーレーの仕事をしてきた。外国の力を活用して、日本のいいところは守らなければいけない。ここから先はダメとはっきりさせないと」。

 生産活動や馬主参入における性急な国際化は、国内の基盤を揺るがす。

 高橋氏「国際化は身銭を切って痛みを知る人が中心となって、サークルのみんなが参加して協議する必要がある。大生産者だけでなく中小の生産者も入れてね。変なことになったら取り返しがつかない。生産あってのパート1なのだから」。

[2007年12月11日8時54分 紙面から]

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