岡田ジャパンの最終予選が、地球約1・5周の「死のロード」になる。W杯アジア最終予選の抽選が27日、クアラルンプールで行われ、日本はバーレーン、カタール、ウズベキスタン、オーストラリアと同じA組に入った。韓国、イラン、サウジアラビアの強豪ひしめくB組は免れたが、移動行程は中東、中央アジア、さらに南半球のオーストラリアまでと、アウェー戦の移動距離はのべ約6万2000キロ。岡田ジャパンにとって過酷な最終予選が待っている。

 日本代表にとって想像を絶する約6万2000キロのロードマップになった。アジア予選ならではの広範囲の対戦相手。これにオーストラリアが同組に入ったことで、北半球と南半球をまたにかけた地球1・5周分にあたる移動、そして気候との戦いが始まることになった。DF闘莉王は「移動が一番つらい。疲れてしまうから。非常に難しい問題」と表情を曇らせた。

 もっとも移動距離がある中東との試合が2試合組まれる。中でも初戦のバーレーンは3月26日の3次予選で0-1の惨敗を喫した因縁の相手。第2次岡田政権では中東で1度も勝っていない(1敗1分け)不安なデータもある。FW玉田は「中東での試合が多いからコンディションがカギになる。前半で勝って勢いに乗っていきたい」とイメージを膨らませた。

 さらにアウェー2戦が組み込まれた来年6月の終盤3連戦で正念場を迎える。ウズベキスタンで6日にアウェー戦をした直後、初夏の日本でカタール戦を挟み、さらに中6日で晩秋のオーストラリアで最終戦にのぞむ。12日間で中央アジアから日本を経由して一気に南半球のオーストラリアまで移動。その間にW杯切符の命運をかけた3試合をこなす。

 移動距離が増えれば、選手の体調管理も難しくなる。気候の激変も容赦なく選手から体力を奪う。精神的にもW杯出場へのプレッシャーが重くのしかかる。消耗戦の死のロードに備えて、日本協会は早くも6日のウズベキスタン戦にチャーター機を使用することも検討し始めた。

 そのウズベキスタンとのアウェー戦は環境面での試練も課題になる。中央アジアでは第1次岡田政権の97年以降、アウェー戦を経験していない。中央アジアは気候、風土に加えて練習場所の確保から食事に至るまで、不慣れな点は否めず、こうした部分でもタフさが求められる。

 過去に予選を万全な態勢で戦うために、国内リーグの日程を動かすライバル国もあった。DF中沢は「(日本は)移動もあればリーグ戦もある。相手はリーグ戦をなくしてくるかもしれない」と国力を尽くした相手の執念に警戒心を深める。国と国のプライドをかけた戦いを制して、初めて南アフリカの地にたどり着くことができる。「我々にはこの予選を勝ち抜いてW杯本大会に出場する力が十分にあると信じている」(岡田監督)。日本がW杯予選史上でも屈指の過酷な戦いに挑む。