東京ヴェルディがけれん味のない攻守で、柏レイソルに1-0と競り勝った。PK戦勝ちを含めて4連勝となった。

チーム一体となって走り、球際で妥協しない。いいディフェンスからいい攻撃に展開するのが城福浩監督(65)が求めるサッカーだ。「良くない時こそ我々の本質というか、我々の基準を手放さないっていうところをみんなができた。そこは非常に大事なことかなと思います」とチームを評価した。

昨季はJ1で17位と残留圏の最後尾だったが、今季は東地区で4位と躍進している。全員が日々の練習からエネルギーを余らせることなく全力で臨み、ピッチに立つために競争する。そんな飽くなき姿勢が、選手を成長させている。

相手に主導権を握られ、これまでなら負け試合を勝利に転換させたのは、チームの成長を物語っている。

あらためて城福監督が日頃から口にする「頭から湯気を出す」ことの“極意”を問うと、こう回答した。

「頭から湯気を出すっていうのは精神論でもありますけれども、どういうふうに湯気を出すのかっていうのは、攻守において我々は具体的に伝え続けてきている。これは日々のコーチ陣含めて辛抱強く、それはゲームに関わってる選手、サブの選手、メンバーに入れない選手含めて、我々ヴェルディはどういうふうに湯気を出すんだというところは攻守において日々ピッチの上で膝を突き合わせてやっているんで。選手はよくそこに応えようとして食いついてきてくれている。それが少しずつ勝ち点とつながってくると確信になってくると思う」

要求に応えようとする選手。それに真摯(しんし)に向き合おうとするスタッフ陣。双方の高まる熱が、ヴェルディの躍進を下支えしている。それでも、まだ成長曲線の途上だという。

「このサイクルができてるとはちょっと僕はまだ言えないです。そのサイクルしかこのクラブはJ1で戦うすべはないと思うんで、それを続けるのみですし、この百年構想リーグっていうのは特別な大会ですけども、試合に向けて1日1日の練習をどのように大事にするかっていうところは、僕らの中では普通のリーグと変わらないでやっている。この前も言ったかもしれないですけど、これが勝ち点とリンクして自信につながっていくのは非常にいいことですけども、勝ち点がどうであれ、日々のアプローチがすべてだし、彼らが日々積み上げてきたものが、何日間か見たら分からないかもしれないけども、6カ月単位で見たら確実に成長していると。メンバー外だった選手がメンバーに絡んできてると。これしか我々は方法はないと思ってるんで、それを続けるのみです」

ローマは一日にしてならず-。Jリーグ草創期をリードしたヴェルディが再び優勝争いをするという夢。そんなロマンを追う男は、地道に日常から下地をつくり続けている。【佐藤隆志】