日本協会は19日、日本代表の次期監督が決まらない状況で、親善試合パラグアイ戦(9月4日、日産ス)、グアテマラ戦(同7日、長居ス)に向けた海外組8人の招集レターを各クラブに送った。次期監督の意向のもと海外組を含めた選手選考を行う腹づもりだったが、交渉が暗礁に乗り上げている現状で頓挫。技術委員会が中心の選考で、指揮官の判断が介在しない極めて異例のレター発送が、監督人事の混迷ぶりを如実に物語っていた。
次期監督人事が暗礁に乗り上げている苦しい状況が、海外組招集のレター発送にも表れていた。渡辺真人代表チーム部長(46)は「監督が決まっていないので、大仁副会長、原(強化担当)技術委員長と技術委員会で選手選考をしました」と渋い表情を浮かべた。
本来なら既に決定しているはずの次期監督が選手選考し、14年W杯ブラジル大会に向けた新生日本の初戦に臨むはずだった。だが、監督人事の交渉のため渡欧中の原委員長から現時点で「吉報」は届かず。国際サッカー連盟(FIFA)の規約上、海外組の招集レターの所属クラブへの送付は、国際Aマッチデーの15日前が締め切り。FIFAが定める今回のAマッチデーはパラグアイ戦前日の3日のため、さかのぼること15日前のこの日、監督の意向ゼロの異例の招集レターの発送を余儀なくされた。
MF本田圭佑、長谷部誠らW杯組7人に香川真司を加えた計8人の所属クラブにレターが発送された。以前、原技術委員長は「(次期監督の)交渉が長引く場合は技術委員会で(選手を)決める。そこは明確にしておかないと」と話していたが、代表監督も決まらず監督代行が指揮する可能性もある日本からのレターに、欧州各クラブはどのような印象を抱くか。渡辺部長は「そこについては私の口からは言えない」と言葉を濁した。招集は強制力があるため故障などがない限り拒否できないものの、監督不在の親善試合の意味を疑問視されても仕方ない。
30日から予定される代表合宿の日程も監督人事次第のため流動的で、25~26日の代表発表までに決める見込み。J各クラブからの問い合わせも殺到しているが、同部長は「合宿を本当にやるかどうかを含め、これから検討する。今週いっぱい待って下さいとお答えするしかない」。日本協会側の甘い見通しによる監督人事での混迷。異例の招集レターを含め、各方面で負のスパイラルが生じている。


