<U-19アジア選手権:韓国3-2日本>◇11日◇準々決勝◇中国山東省

 日本が2大会連続でU-20(20歳以下)W杯出場を逃した。前回大会同様に世界切符をかけて韓国と対戦したが、2-3のスコア以上の完敗。前半31分までにFW指宿洋史(19=サバデル)の2得点で先行したが、同32分から前半のうちに3失点して逆転された。12年ロンドン五輪は、世界を経験しない世代だけで臨まなければならなくなった。

 日本のU-20W杯出場が消える笛が鳴った直後、FW宇佐美はしばらく動けなかった。1点差のスコア以上の完敗。「悔しいです。あと1歩だったのに、気持ちの面で負けていた」。今大会4ゴールのエースは、そう言葉を絞り出した。

 指宿の2ゴールで先行しながら、あっさり逆転を許した。宇佐美ら前線にはタレントをそろえたが、最後まで守備の不安は解消しなかった。176センチのセンターバックコンビは、190センチ近い韓国の高さに圧倒された。「ロングボールへの対応は課題だったが、結果としてやられてしまった」と布監督は振り返った。

 前回大会も準々決勝で韓国に0-3と完敗。選手たちは「それは前のこと。今のチームとは関係ない」と話していたが、2年前と同じように球際の競り合いで負けた。韓国との対戦経験も多いMF酒井は「今までの韓国とは違っていた。強かった」と勝負に執着する気持ちの強さに驚いた。

 U-20W杯出場権をとることは、このチームへの至上命令だった。U-20W杯の経験が五輪に通じ、さらにW杯にも影響する。だからこそ、Jクラブも選手の招集に協力した。それが、前回大会に続いて韓国に完敗した。2年後(五輪)4年後(W杯)に向けて、この敗戦の意味は大きい。

 「現実を受け止めたい。各自チームに戻ってやることをやらないと」と2得点の指宿は話した。「プラチナ世代」と呼ばれながら結果を出せなかった。韓国との差は想像以上に大きかった。個々のレベルを上げない限り、その差は埋まらないのかもしれない。