<アジア大会・男子サッカー:日本3-0中国>◇1次リーグA組◇8日◇中国・広州

 U-21日本代表が完全アウェーの中で「関塚イズム」を貫き、中国から完封勝利を挙げた。関塚隆監督(50)が掲げる「速い攻守の切り替え」をイレブンがピッチ上で体現した。ロンドン五輪世代のベストメンバーを招集できず、国内合宿もわずか7日間という厳しい状況下ながら、指揮官の考えが浸透。開催国中国から貴重な勝ち点3を奪い、関塚ジャパンがロンドン五輪へ最高の第1歩を踏み出した。

 「関塚イズム」の浸透が中国撃破の原動力だった。「初戦は中国戦ということで緊張感のある戦いになった。選手が試合にどういう入り方をするかが一番のポイントだったが、リラックスして入ってくれた」。関塚監督の満足げな表情が手ごたえを物語っていた。

 後半13分の1つのプレーが関塚流を象徴した。中盤で相手選手にプレスをかけて囲い込み、MF水沼がボールを奪取。FW永井を経てMF東が豪快なミドルシュートで中国ゴールを脅かした。一連の流れに要した時間は8秒。攻守の切り替えの速さを披露した。

 わずか7日間の国内合宿で関塚監督は「攻守の切り替えの速さ」を選手に説き続けた。ミーティングでは練習試合の映像を見せ、ポイントを指摘。主将のMF山村が「全体的に協力してプレスをかけられた」と振り返ったように、激しいプレスからの鋭い攻撃という指揮官の意図を若きイレブンが体現してみせた。

 04年から指揮を執った川崎F監督時代から、関塚監督は「全員で守って全員で攻める。速い攻守の切り替え」と強調していた。96年から8年間鹿島でヘッドコーチを務めたが、00年から3年間ともに仕事をしたトニーニョ・セレーゾ監督に「一番影響を受けた」という。セレーゾ監督、そして鹿島の持ち味でもある「攻守の切り替えの速さ」をU-21代表にも注入した。

 関塚イズムの浸透したチームに対し、日本代表のザッケローニ監督も「関塚監督はピッチ上に素晴らしい選手を適材適所に配置した。選手同士の距離感、各パートの距離が素晴らしかった」と称賛を送ったほどだった。「中国のリズムが出る前に先制点を取れたことがよかった」と話した関塚監督。自分がどのようなサッカーでロンドン五輪を目指すか-。中国から勝利を奪った一戦は、見事な「所信表明」にもなった。