【ドーハ(カタール)29日=福岡吉央】

 U-23(23歳以下)日本代表が28日、U-23カタール代表と完全非公開の練習試合を行い、0-0で引き分けた。GK権田修一(22=東京)は、決定機を外して言い訳をした選手がいたことや、アップ中に笑っていた選手がいたことを明かし「これじゃダメ」と苦言。2月5日のロンドン五輪アジア最終予選シリア戦(ヨルダン)は1週間後に迫っており、早急なチームの立て直しが必要とされる。

 昨年のアジア杯決勝で日本代表が優勝を飾った縁起のいいハリファ国際スタジアムでの練習試合。約500人の警備員が配置される物々しい雰囲気の中で行われた同代表の今年最初の対外試合は、納得のいく内容ではなかった。

 日本代表にも名を連ね、チームの精神的支柱でもあるGK権田は、強い口調で不満をぶちまけた。「はっきり言って勝てた試合。結果にこだわりたかった。久々だからOKというのではダメ。試合をやっている以上、勝たなければいけない」。

 U-23カタール代表も別組でアジア最終予選を戦っており、現在3位。練習試合といえど、まさに真剣勝負の中で行われた試合だった。関塚監督は全21人を起用。選手たちの話をまとめると、日本は何度もチャンスを作り、試合を支配する時間も多かったが、決定力不足を露呈した。

 権田は、決定機を外した選手の中には「試合になったら決めるよ」と話す選手がいたことや、後半から出場した選手たちのアップ中、笑い声が聞こえていたことも明かし、厳しい表情で苦言を呈した。

 「シリア戦まであと1試合しかないけど、大丈夫だと思える試合ではなかった。絶対に決めるという積み重ねが必要。クラブならこれでいいかもしれないが、僕らには大事な試合が待っている。引き分けで本当にいいのか、考えてやらなきゃいけない」

 これに対し、FW大迫は「決定機はかなりあった。あとはゴール」と話し、FW永井も「しっかり(ボールに)当てきれなかった。決めるべき人が決めないと苦しい」と、反省を口にした。関塚監督も攻撃陣に対し「エンジンをかけてやっていかないといけない」。シリア戦まであと1週間。緊迫感が足りないのは気掛かりだ。

 ◆権田修一(ごんだ・しゅういち)1989年(平元)3月3日、東京都生まれ。東京ジュニアユース、東京ユースを経て、高3だった06年にトップ昇格。10年1月6日のアジア杯最終予選イエメン戦でA代表デビューを飾る。代表キャップ数1。昨年はリーグ戦20試合に出場。家族は妻。187センチ、83キロ。