日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(58)が、国内組で構成される親善試合アイスランド戦(24日、長居)に初代表組を多数招集する意向を示した。14日に再来日。海外組が合流する2014年W杯ブラジル大会アジア3次予選ウズベキスタン戦(29日、豊田ス)へ、戦力発掘の意味合いが強いアイスランド戦では、これまで重視してきたチームワークよりも、個の能力を優先する。国際Aマッチ出場歴のある国内組に加え、同出場歴なしや初招集を加えたメンバーを17日に発表する。

 2カ月ぶりに日本の地を踏んだザッケローニ監督はアイスランド戦の意図を明確に口にした。「国内組で出場機会がなかった選手、初めて呼ばれる選手には大きなチャンスになる。多くのメンバーが初めて集まってやる感じになると思う。チームというより個の能力を深く理解したい」。

 これまで選手選考の重要な理由の1つだった「チームワーク」よりも、あえて「個人能力」の見極めを最優先する。「2012年は未来に向けて大切な1年になる。(W杯最終予選が始まる)6月以降は多忙になる」。厳しい最終予選を見すえ、新たな戦力発掘による底上げという重要な意味がアイスランド戦にある。

 当然、これまでのザックジャパンで出場経験の豊富な国内組の選手は招集が決定的。ただ、昨年8月の札幌での候補合宿に呼ばれたDF太田、西、MF谷口らに加え、本来ならU-23代表入りしてもおかしくない鹿島の若きMF柴崎などの選出の可能性も十分ある。

 日本協会の原強化担当技術委員長は「アイスランド戦は23人前後の選出を考えている。海外組が増える中、国内組の新しい選手や代表戦の出場が少ない選手が競争してもらえれば」と説明。最終予選になっても、海外組は直前合流のケースが多くなり、調整が難しい。さらに故障者が出た場合の対応も必要だけに、事前準備が可能でコンディションが安定している国内組の発掘は必要不可欠となる。

 ザッケローニ監督も「アイスランド戦はシーズン前なので国内組がいかに多く走れるか、トップフォームであるかということは期待していない」とあくまで現状の能力の見極めに重点を置く。【菅家大輔】