なでしこジャパン合同合宿第2日は9日、大分県内で行われ、U-16(16歳以下)代表候補のMF北川ひかる(15=JFAアカデミー福島)がまばゆいばかりの存在感を発揮した。タレントのベッキー似の美少女で、リトルなでしこの中心選手に名乗りをあげた。

 遠くに見える由布岳を背に、ひたむきな姿でピッチを駆け回った。U-16代表候補合宿に初招集されたMF北川が、U-19との練習試合で左足からの正確なキックを披露。リトルなでしこ入りに向け、名前の通り輝きを見せた。

 「皆、選ばれてきた選手だからすごく上手。その中でプレーするのは気持ちいい。自信を持ってやろうと思っています」

 チームでは左MFを務めるが、この日はボランチ。お姉さん世代を相手に、プレスに苦しむ場面もあったが、将来性を感じさせる持ち味のドリブルとロングキックで攻撃の起点となった。U-16日本女子代表の高倉監督も「常に技術レベルが高く、視野も広い。チームの中で中心でやっていけるんじゃないかと感じています」と、期待を寄せた。

 昨年末には、皇后杯3回戦で新潟を相手に番狂わせを演じ、決勝点となるPKを決めた15歳。よりハイレベルな環境でサッカーをしたいという思いから、12歳で生まれ育った石川を離れ、JFAアカデミー福島で寮生活を始めた。尊敬するなでしこチャレンジMF田中陽と同部屋だったこともあるといい「代表での話を聞かせてもらった。恋バナもします」と、初々しい笑顔を見せた。

 将来は米国の大学でサッカーを続け、大学卒業後になでしこリーグでプレーするのが目標。ハーフのような顔立ちで、モデル事務所からも声が掛かりそうな長い足を持つが「ファッションは楽しめればいい」と、今はサッカーにすべてを注ぐ。目指すは19年W杯出場。子供のころからの夢をかなえるためにも、まずは来年コスタリカで開催されるU-17女子W杯のアジア予選メンバーに入り、なでしこ入りへの土台を築く。【福岡吉央】

 ◆北川(きたがわ)ひかる

 1997年(平9)5月10日、石川県生まれ。5歳の時にサッカーを始める。星稜PELバディ、菊川FCジュニアを経て、11年にJFAアカデミー福島入り。同年、U-14エリートプログラムで韓国遠征に参加した。憧れの選手はU-19日本代表候補FW田中美南。好きな芸能人は向井理。趣味はバイオリン。家族は両親と兄。161センチ、46キロ。左利き。