日本代表FW本田圭佑(28)が所属の名門ACミランに息づく王者のDNAで、日本をアジア杯2連覇へと導く。日本代表は30日、千葉県内で来年1月のアジア杯(オーストラリア)に向けた合宿2日目の練習を行った。口を開いた本田は2連覇が容易ではないことをあらためて強調。「負けは許されない環境」という名門で1年間過ごした経験も生かし、王座を防衛する。

 本田だけが持つ力が、アジア杯2連覇への切り札になる。前回大会MVPで優勝の立役者になったエースには当時と違う武器がある。今は、世界最多タイ18個もの国際タイトルを獲得しているミランの赤と黒のメンタリティーがある。

 自他共に、日本が優勝候補の1つだと認めている。周囲からは2連覇だけを期待されている。それを痛いほど感じているから、まず警鐘を鳴らした。

 「前提として言っておきたいのは、アジア杯ってそんなに簡単なものじゃない。W杯では負けたけどアジア杯なら何とかなるだろうというのは危ない考え方。前回もギリギリで優勝したことを忘れてはいけない」

 弱気になっているわけではない。公言してきた「W杯優勝」と同じようにアジア杯でも2連覇を狙う。「チャンピオンと呼ばれるような組織だったり、人というのはどうやって(チャンピオンであることを)維持しているのか」と日々探求している。それはグローバル化し、より一層厳しい競争にさらされている企業や、そのトップの姿であったりもする。必ずしもサッカーの枠に収まるものではない。

 何より、今は本田自身が「チャンピオン」という呼び名がふさわしい組織の一員である。名門ミランに息づく伝統について聞くと、少しだけ誇らしげに、こう言った。

 「ミランは現状、残念ながらチャンピオンチームではないんですけど、実力的に。ただ、魂やフィロソフィー(哲学)というのはチャンピオンチームなんです。それは入った人間、そこで働いている人間にしか分からない」

 選手時代に栄光を知るインザギ監督から、厳しく細かくたたき込まれた常勝のDNA。それを日本にも持ち込み、アジアの頂点までチームを引っ張り上げる。【八反誠】