<練習試合:日本代表2-0オークランド(ニュージーランド)>4日◇オーストラリア・セスノック

 アギーレジャパン“デビュー”を果たした日本代表MF清武弘嗣(25=ハノーバー)が、存在感を放った。後半16分から途中出場し、正確なスルーパスを次々と披露。終了間際には右クロスでFW岡崎のゴールをアシストした。アギーレ体制で初選出ながら、アジア杯で新たな戦力となる。

 最後の最後に、清武が再デビューを飾るアシストを決めた。終了間際の後半44分。右サイドに流れた清武は、FW本田のスルーパスに反応した。ゴール前へ狙いすました右クロスで、岡崎の追加点を好演出。攻め込みながらも決めきれない、フラストレーションのたまる展開の中、アシストという結果。W杯以来の“代表戦”に「楽しかった」と充実感を漂わせた。

 後半16分からの途中出場が、再デビューのときだった。3人並ぶMFの右に入った。5分後、左の今野と入れ替わるように指示を受けたが、定位置にしばられずに守備網をくぐり抜ける鋭いスルーパスを披露。同38分、約40メートル先を走る本田へ。同43分には岡崎へゴール前混戦から優しいパス。「2人が欲しがっていたので。今日はああやって出したけど、次はもっと落ち着かせられたらいい」とゲームメークのイメージを描く。

 ブラジルW杯以降代表の場から遠ざかった。コロンビア戦翌日「ロシア(W杯)では自分たちが中心になってやらないといけない。4年後に僕が主将マークを巻いてプレーするという目標もできた」と敗退決定翌朝から同世代の選手を集めて再スタートを切った。新体制発足後、3度の招集で1度も呼ばれずアジア杯本番での招集。「気負いはゼロ」と肩の力を抜き、吹っ切れたように言い切るくらいがちょうどいい。

 本番でも相手が守備に回る展開が予想される。「引かれたら崩すのは難しい。いかに3トップを生かして、どう自分たち中盤が中に入っていくか。パサーだけじゃないところを見せていかないと」。次はゴールも狙っている。【栗田成芳】