J1残留へ、年間順位で17位に低迷する清水が「5勝」を最低ノルマに戦う。1日のオフを挟み、18日には静岡市内で午前と午後の2部練習を消化した。前節新潟戦は引き分けに終わり、残留のボーダーライン(15位)との勝ち点差は3のまま。さらに深刻な状況で、残り10試合を戦うことが不可欠となった。

 新潟戦後、田坂和昭監督(44)は「勝ち点3を取らなければ我々に未来はない」と切迫した気持ちを言葉に込めた。敗戦はもう許されないデータがある。過去10年間を振り返ると、残り10試合の時点で17位だったチームが残留できたのは08年の千葉と12年の大宮のみ。2チームともに5勝以上の成績(千葉は5勝2分け3敗、大宮は5勝5分け)を残して残留を決めた。勝ち点差や得失点差など過去の例と状況は異なるものの、生き残るためには最低でも勝率5割以上が必要だ。

 決定機を確実に決めることも残留へのキーポイントだ。田坂体制での2試合は相手よりシュート数で上回りながらも、勝ちきれなかった。主将のMF本田拓也(30)は「先に取られるとエネルギーを使う。前よりも守備はよくなってきているので、先制すれば違った展開になる」と、先制点の重要性を強調した。

 22日の次節G大阪戦以降は東京や浦和、広島と年間順位トップ4との対戦が控え、厳しい戦いとなる。本田は「やるしかない」とキッパリ。残り10試合のうち、ホームは5試合。本拠地の全勝を前提とし、アウェーで勝ち点が上積みできれば、残留も見えてくる。【神谷亮磨】