鹿島が開幕3連勝を逃した。前半8分に今季初失点すると、粘り強く守る仙台を最後まで崩せず今季初黒星。前半25分には、仙台市出身の日本代表候補MF遠藤が右サイドから左足でシュートしたが、クロスバーをたたいた。スタジアム全体に押し返されたように、13本のシュートが決まらない。公式戦5連勝中だった仙台に敗れ「気迫でベガルタの方が上だった」と遠藤は悔しがった。

 震災5年の翌日に仙台と戦うことに、岩手県出身のMF小笠原は「胸が痛くなる1日。複雑だけど、試合することによって震災を思い起こすきっかけになれば」と話していた。今年1月には福島・南相馬市でサッカー教室を開催。住民がいない浪江町や富岡町まで足を運び、復興支援の必要性を再確認したばかりだ。同行した遠藤は「今日の試合を見て『明日も頑張ろう』と思ってくれる人がいれば」。シーズンを通した活躍で後押しをしていく。【木下淳】