鹿島のリオデジャネイロ五輪代表DF植田直通(21)は甲府戦で3失点し、屈辱の途中交代となった。

 その表情が全てを物語っていた。試合終了からわずか15分。DF植田はロッカールームから険しい顔で出てきた。自分へのいら立ち、悔しさを押し殺すように無言で、バスへ乗り込んだ。五輪出発前最後の一戦は、今季出場17試合目にして初となる途中交代の屈辱だった。

 2-2の後半24分。マークについていたFWドゥドゥのフェイントについていけず、入れ替わられた。シュートコースを与えてしまうと、ブラジル人助っ人は見逃してはくれない。エリア外左からゴール右隅へシュートを決められ、一時勝ち越しの3点目を許した。交代を命じられたのは、その3分後だった。

 1点を追う前半6分には、同点の起点となるロングボールを供給したが、その活躍も自らふいにする痛恨のミス。試合後の会見で石井監督も厳しい言葉を並べた。「前半からドゥドゥへの対応がよくなかった。3点目を入れられた時も、個人的には制限して、外へ追い込む形はできた」。チームも降格圏に沈んでいる甲府に、今季最多タイの3失点で引き分け。試合後はサポーターからもブーイングを浴びた。この悔しさを、リオの糧にする。【上田悠太】