G大阪が年間4位で終えた。アウェー川崎F戦は3-2の逆転勝利。前半、年間勝ち点1位の可能性を残す相手に攻め立てられ、前半だけで2失点。敗色濃厚だったが、執念の勝利で年間5位から浮上してのフィニッシュだ。

 2点を追う厳しい展開に長谷川監督はすぐに動いた。MF遠藤をトップ下に置いた4-2-3-1の先発布陣から4-3-3に変更。1度も練習したことがなかった、遠藤を中盤の底に置く布陣を試した。指揮官は「ヤット(遠藤)のところでボールを落ち着かせたかった」と説明。長谷川監督就任後の4年間で築いたベテランとの信頼関係で、逆転劇を呼んだ。

 今季の集大成だった。0-2の後半20分にはリオ五輪代表組DF藤春が、1分後にはMF井手口がゴールし同点に。特に今日4日に発表される日本代表入りが期待される井手口は、9月17日名古屋戦でJ1初ゴール後、名古屋戦を含めてJ1の6試合で4得点と調子を上げた。成長著しい20歳は「点が取れるようになって自信がついてきた」と胸を張った。

 来季ACL出場の可能性を広げた。J1と天皇杯の優勝チームが同一で、ACLの出場枠が現行のままならプレーオフ進出となる。9日にJ2清水と4回戦を戦う天皇杯で3連覇を達成すれば、無条件でACL出場権を得られる。

 来季の続投が内定した長谷川監督のもと3年連続でアジアの頂点への挑戦が可能だ。そのための新戦力として日本代表FW小林(川崎F)やDF昌子(鹿島)の獲得も目指している。この日の見事な逆転で地力を見せたG大阪は、さらに飛躍を目指す。【小杉舞】